■08/04/13 新日本海フェリー「ゆうかり」乗船記 10:30→06:00
満員の高速バスを、潮見台で脱出して、と。
道路標識にフェリーターミナルの文字があったので、それに従って歩いて行くと、遠くに「ゆうかり」のファンネルが見えました。
あそこに向かって歩いていけばいいんだよね。
やっぱり大きいな。
既に車輌の積み込みが始まっている「ゆうかり」の船尾から船首へと歩いて、ターミナルへ。
小樽から乗船して新潟で下船するのって、実は今回が初めてです。
逆方向なら体験済みなのですが、私は南向には殆ど乗船しないから…。
ターミナルで、まずは乗船名簿の記入だね。
チケットと一緒にパンフレットは送られて来ましたが、乗船名簿までは同封されていませんでした。
カウンターのそばには、各等級の写真と差額が書かれたボードがあって、これは分かりやすいです。
スイートが食事付でお得です!、と力を入れてアピールしていましたが…。
さすがにスイートは高過ぎだし、一人で乗っても仕方無いので、1等にしたよ。
窓口へ行き、最初は1等洋室で申し込みましたが、インサイドになります、とのことだったので、和室に変更。
海側でいいですか?、と聞かれたので、わけが分からないままに「はい」って返事をします。
乗船してから、アウトサイドにも海側と陸側があることに気が付きました(^^;。
手持ちの2等との差額は、6,000円。
ついでに昼と夜のグリルをお願いしたので、こちらが7,300円になりました。
クレジットカードで支払って、と。
それじゃ、乗船しよー。
エスカレーターを上がり、おにーさんに乗船券を渡します。
まだ新人さんみたいで、2等→1等貸切券がホチキス止めされている意味が分からないらしくって、お二人様ですか???、と思いっ切り悩んでいました(^^;。
その後、船内で丁寧に迎えられて、キーを受け取ります。
グリルの時間は、後程電話でお知らせします、って。
あ、このパターンは初めてだあ。
お部屋に行くと、勝手知った感じの和室です。
窓の外は船の装備の関係で、あんまり見通しは良くありません。
人通りも気になるね。
押し入れを覗いたら、敷き布団は無くって、マットレスだけみたい。
自分で布団を敷くのが微妙に面倒です(^^;。
それでも、くつろげる和室なのです。
畳もまだ綺麗だよ。
グリルの案内が来るまでは部屋に居ることにして、備え付けの案内をめくったり、荷物の整理をしたり。
室内が暑かったので、空調をクーラーに切り替えたら、ちゃんと冷たい風が出て来ました。
嬉しいな。
程なく電話があって、ランチは12:00から、ディナーは18:00からとのことでした。
デッキに出ると、海の上、見渡す限りに海鳥がたあくさん。
千どころか、万単位で居るよー。
鳥が8で海が2、みたいな感じ?。
…そこまで大袈裟ではありませんかあ。
ブリッジの両サイドは吹きさらしで、真冬は随分と寒そうだけれど、北海道航路なのに、どうしてあんな作りなのかな…?。
出航時間になると、岸壁に社員の方が整列して見送ってくれます。
ゆっくりゆっくり離岸して、スラスターが止まった所で、大きく汽笛が鳴って。
ほぼ真下に居た私は、突然の汽笛にびっくりして、飛び上がっちゃいました(^^;。
それを合図に、皆さん手を振ってお見送り。
釣りに来ていた人達や、車で船を見に来たらしい家族連れも、一緒に手を振ってくれます。
こういうのって、いいですね。
これだけ大きなフェリーの出航は、ちょっとしたイベントですもん。
見送る人と見送られる人、そんな人達の気持ちが重なった瞬間。
私にとっては懐かしい北海道の風の香りが、少しずつ少しずつ遠離って行きます。
港外へと出た所で、フォワードサロンへと移動して。
高島岬を回って行く景色を眺めます。
ちなみに私は、あれってもう積丹半島なのだとばかり…(^^;。
11:30に船長さんから案内があるまで、ずっと信じ込んでいたのでした。
現在は20ノットで航行中なんですって。
この先の気象概況の後、船長と機関長とパーサーの名前が紹介されて、案内は終了です。
ヨットが沢山見えますよー。
船内を散歩すると、さすがに空いていて、他の人には殆ど会いません。
ロビーもほぼ無人だよ。
船内の地図を見ていて、渡島大島と小島の間を抜けて行くことに気が付いたり。
というか、こんな所に日本最大の無人島があるなんて、今まで知りませんでした…。
さあて、とりあえず、お風呂に入っておこうかな。
そんなこんなで、グリルの時間になります。
何分か前にグリルの前まで行ったら、扉の鍵が開いていませんでした…。
暫く扉の前に立って、開けてくれるのを待ったりして。
グリルは嵯峨野っていう名前なんだ。
私が入るとすぐに扉が閉められて、今日の利用者さん、私一人だけみたい。
ふええ…。
もう慣れましたけど…。
テーブルには、ラミネートされたドリンクのメニューが置いてあって、グリルでドリンクのメニューを見たの、実は初めてです。
かなり質素な作りのメニューですけど(^^;。
ワインのボトルが4種類と、グラスワインが1種類、日本酒が3種類、ビールはアサヒの生が1種類とビンが3種類。
新潟自然農場っていうのを頼んだら、720mlのビンが出て来ました。
でっか。
こんなに飲めないよう、なんて思ったけれど、一人で手持ち無沙汰だったから、結局全て飲んじゃいました。
南向のグリルって初めてなので、どんなお料理が出て来るんだろ(^^)。
これがグリルの醍醐味、わくわくするね。
フランス語でスリールっていう名前が付けられた、グリルのランチ。
英語のスマイルと同じ意味だね。
最初に出て来たのは、ブリオッシュ2種(エスカルゴ、ブルーチーズとスモークサーモン)ですって。
美味しかったです。
本当は、全部のお皿の写真を撮っておこうと思ったのですが、お皿が出て来るとついつい反射的に手を出してしまって、撮影なんかすっかり忘れちゃって。
…そんなにお腹が空いてたのー?(^^;。
船名が入った手書きのドリンクの領収書、今回は2回共貰えませんでした。
ちょっとだけ楽しみにしていたのにな。
わざわざお願いして書いて貰う程のことはありませんけど。
お部屋に戻ると、猛烈に眠くなって、すやすや。
船内、本当にお気楽な生活なのですよー。
ちょっと位、頼りない行程の方が、パワーになるのだ☆。
携帯の電波は、圏内になったり、圏外になったり。
思い出したように圏内になると、メールが飛び込んで来るです。
また船内を散歩して、お風呂。
「ゆうかり」のお風呂は洗い場が沢山あって、ゆとりがあっていいですね。
カフェとレストランは、とうとう一度も使わなかったな。
レストラン、昼夜共にカフェテリア方式だったみたい。
売店は後で覗こうと思いつつ、開店時間を勘違いしていたから、とうとう店内に入れませんでした。
このキャラクター君、実際の所、お名前は何て言うのでしょう??。
売店の営業時間は、本当に要確認なのですよー。
そして、またグリルの時間。
BSジャパンで気になるテレビがあったので、指定された時間より、何分か遅れて行ったりして。
今回はちゃんと扉が開いていて、私の席にもうお料理が用意されているのが見えるです。
やっぱり独りぼっち。
国内航路唯一のグリルですし、開いているなら使いたいって思うのですが、私一人の為に係の人が張り付きになっちゃうんじゃ、わざわざ利用すると逆に迷惑になっちゃうかなあ。
難しい所なのです。
それでも、燃え上がった夕陽が少しずつ少しずつ日本海に沈んで行く様子を見ながら食べるディナーは、結構優雅だったりします。
私は好き。
普通なら感じられない瞬間が感じられますもの。
まあ、話し相手が居るに越したことはありませんですわ(^^;。
ちなみに、南向北向とも、昼はナイフとフォークで、夜はお箸で食べるようになってます。
ディナーの名前は彩雲ですって。
写真は、前菜の合鴨の洋風揚げと甘えび塩辛と蛸のガーリックマリネ。
それから、旬のお造り。
普段、自分で食べるものって、結構同じようなものを選んでしまいがちだけれど、コース料理は完全におまかせなので、変わった物を食べられるのが嬉しいです。
今回、特に苦手な物は出て来ませんでした。
あ、椎茸だけは、うわあ…、でしたけど。
頑張って食べました(^^;。
お部屋に戻って暫くすると、窓の外でデッキの照明が一斉に点灯しました。
やがて船内放送が流れ、間もなくの19:30、姉妹船「らいらっく」と左舷側で擦れ違うとのことです。
もう暗くなっているのに、ちゃんと案内してくれるのは嬉しいな。
レストラン横の展望通路で接近して来るのを待って、後部デッキへ。
わ、さすがに風が強くって寒いなあ。
それでも、照明を煌々と点けた「らいらっく」がやって来て、「らいらっく」が先に汽笛を鳴らして、その後「ゆうかり」がそれに応えるのを、楽しく眺めていたのでした。
わざわざ後部デッキに出て来たのは、私だけ。
何故か、擦れ違った後に何人か来られてましたけど…。
後はもう、のんびりです。
ロビーの片隅では、外人さんが一人パソコンを使っていますが、朝まであそこに居るつもりなのかな…?。
2等での雑魚寝は、外人さんにはきついのかも。
私でもきついです…。
やがて、消灯時間、フォワードサロンの閉鎖時間の案内があって、私も布団を引っ張り出して寝ますです。
早着したら嫌だなあ、なんて思いつつ、きっちり定刻での到着になりました。
布団を畳んで、キーの回収に備えましょう。
もう明るくなった新潟港内を、「ゆうかり」はゆっくりと進んで行きます。