■15/04/23 東海汽船「橘丸」乗船記 東京22:30−08:50八丈島09:40−東京19:50
サイトのパンフレットによると、「本きっぷは船好きな方のために、橘丸の特1等席・特等席に乗り、東京竹芝を夜出発し、一日乗りっぱなしの船旅を楽しむ切符です!船内からの景色やクルージングを存分にお楽しみください!」とのことで。
更に、「特1等和室は本きっぷに限り1名様よりOK!個室確約!」「船内レストラン朝食付(トースト&コーヒー)」と、なかなか楽しそうなのです。
お客様センターに電話をしてみると、予約番号をくれました。
特1等和室でいいですか?、って聞かれたけれど、もしかしたら、空きが有れば特等室も予約出来ちゃったりするのかしらん。
何時までに来て下さい、みたいな指示は無かったので、まあ、常識的な時間に行きましょう。
竹芝客船ターミナルでは、窓口に並んで、おねーさんに口頭で予約番号を伝え、クレジットカードで24,000円を決済します。
総括券、利用券、ルームチャージ券がホチキス留めされた乗船券が往復で2枚、合計で6枚のきっぷが出て来て、壮観です。
何か嬉しい。
わくわくするね。
券面の表示は、「たちばな満喫きっぷ」になっていました。
「三八航路」との記載も見えます。
あ、そういう呼び名なのですねえ。
三八豪雪、的な…(^^;。
その後、テーブルで、乗船券の右半分、ご乗船票に氏名や住所を記入して、と。
乗船券を購入してから、乗船名簿に記入するのって、何か新鮮です。
その辺りのシステムが良く分からなかったので、注意書きをせっせと読み込んだりしていたよ。
乗船開始は20分前、22:10とのことです。
時間までは、ターミナの周辺をてくてくお散歩して。
カフェのメニュー、ムロアジメンチバーガー単品500円に興味津々だったり。
ライトアップされている「橘丸」のファンネルを見上げたり。
パンフレット集めもしましたっ。
「橘丸」の案内とか、見ていると楽しいのです。
新造船は、他にも「フェリーあぜりあ」や「セブンアイランド大漁」が有るのですねー。
「あぜりあ丸」とか、懐かしいな。
懐かしいけれど、いい思い出って訳でも無いので…。
激しく船酔いしましたもん。
あれは、実にエキサイティング、かつスリリングな航海でした。
フェリーに変わっても、あんまり乗りたくない…(^^;。
昔から、離島への船旅は我慢比べ。
そんなのやだ。
でも、すぐに乗らなきゃ賞味期限だ。
今回の船旅も、何も考えずに予約して、後から慌てて波の高さを確認したよ。
うん、大丈夫そう。
波は大丈夫だけれど、私の体が大丈夫なのかは、また別の問題なので…。
揺れに弱いのに船には乗りたい人の嘆き。
いつだって悩みの種。
時間通りに乗船開始の放送が流れて、ターミナル内はすっかり人気が無くなってしまいました。
がらんとしています。
今日のお客さんは、元々少なそうですけどねー。
ベンチが全部埋まる位な感じ…?。
それでは、私も乗船しちゃいましょう。
お隣の「さるびあ丸」は、本日の運航は無いみたい。
「橘丸」の黄色い船体は、夜の闇の中、ライトに照らされて、きらきらと光っています。
インパクト有るです。
客船の船体って、大抵は白色が基本ですものね。
イエローとグリーンの組み合わせは、凄くダイタン。
一度見たら忘れません。
改札口で、乗船票を切り取って貰い、船内へと進みましょう。
前のお2人は、自転車を押しての乗船。
自転車も、そのまま同じ乗船口を利用するのですねー。
びっくり。
実際、「橘丸」はいわゆるフェリーでは無いので、他に乗船口は有りませんけど…。
段差は無いので、ベビーカーもキャリアーも、楽々なのです。
肝心のお2人も、自転車をどうすればいいのか、戸惑ってました。
船内では、クルーの案内で、移動して行ったよ。
後で船内を回ってみたら、手荷物置き場に固定されていました。
手荷物…。
こういう使い方なのですね。
ちなみに、御蔵島は自転車禁止なのだそうで、持ち込んでも自走は出来ません。
理由は、急坂ばかりで危険だから。
私は、乗船券を見せて、階段をひとつ上がるように言われ、仮設カウンターでルームチャージ券を切り取って貰います。
カードキーを貰ったよ。
それでは、お部屋へと進みましょう。
お部屋は、ちゃぶ台を中心に、マットレスが折り畳んで有って。
面白いのです。
片隅には、パッドと掛け布団が積まれているよ。
この仕様、1人で乗ると、なかなか厄介なのです。
というのも、最低限の移動で寝床を作ろうとすると、スペースが不足しちゃいますもん。
私は、頑張って、手前のマットを広げて寝ました。
…そんなに、移動させるのが面倒臭いのかいっ(^^;。
テーブルの穴は、ドリンクホルダーです。
壁にはでっかいテレビ。
私は電源すら入れなかったので、使い勝手や、船内案内が流れていたのかは分かりません。
ハンガーとコンセントは、定員の4人分がちゃんと用意されていますね。
片側には枕代わりのクッションが壁に取り付けられています。
窓はロールスクリーンが二重に装備されていて。
なかなか凝っているのです。
小物入れの棚も有りますよー。
ちゃぶ台の上には、何故か島で農業を始めるときのハンドブックが置いて有って。
トイレとシャワーもお部屋に有るです。
石鹸なんかは、アメニティの袋に入っていたよ。
何と!、ちっちゃな冷蔵庫まで有るので、びっくりしちゃいました。
庫内には、ミネラルウォーターが2本。
これは、ポット用っていう説明でした。
この辺りの装備も、私は全く使いませんでしたけど…。
シャワーも使わなかったですねー。
夏になったら、有ると有り難い装備。
安心感が違います。
あ、船内には、ちゃんと有料のシャワールームも有りますよん。
取り敢えず、船内をうろうろしましょー。
自販機をチェックすると、ジュースやアルコールは勿論、おつまみ、お菓子、パン、カロリーメイトと、食料は充実しています。
レストランの前には、ニチレイの冷凍食品も売ってますし。
他には、アメニティやトランプなんかも。
両替機は、案内所の前に。
メイクルームや、キッズルームも有りますよー。
繁忙期に、ここが客室代用になったりはしません。
…よね?(^^;。
デッキへと移動すると、歩けるのは2層。
広々としています。
ペットルームを覗いてみたら、今日はお客さんが居ないみたい。
流し台なんかも装備した、ペットルームなのです。
デッキを歩いても、船特有の油の匂いは全くしなくって、これはかなり新鮮。
私は、あの匂い、結構好きなのですけど(船酔いしていなければ)。
「橘丸」って、ディーゼル発電の、電気推進なのですよね。
パンフレットによると、1基1軸のアジマス推進。
全長は118メートル、全幅は17メートル。
何故か定員の記載は有りません。
「船内のご案内」によると、私が乗っている特1等和室って、5部屋しか無いのかあ。
10部屋も有る、特等より少ないのです。
実は競争率が高そう。
まだ出航まで時間は有るので、一旦、船内へ戻って、と。
船内放送で、銅鑼の音が鳴り響きます。
妙にクリアに聞こえるね、なあんて思ったら、目の前の案内所で、本物の銅鑼を鳴らしていました。
遅れて来た人を待っていたのか、最後に男性が1人乗船して、約3分の遅れで、舫を解かれた「橘丸」は出航です。
「さるびあ丸」に見送られて、湾岸の夜景を眺めつつ。
レインボーブリッジが近付いて来るね。
私はレストランへ行って、軽食を注文しましょうかあ。
利用者さんは他にお1人だけで、おにーさんも暇そうです。
丸窓は雰囲気有っていいのですが、外の景色はちょっと見難いですよねー。
食券の自販機の写真を撮ったので、それを見ながら、明日の食事を考えましょう。
メニューは豊富で、時間帯によって販売に制限がかかったりもしなくって。
ずっと同じメニューを選べます。
今航海では、中華丼だけが品切れしていたよ。
盛若水割(神津島焼酎)500円と鶏から揚げ700円。
焼酎を飲むなら、水割よりもロックがいいなあ。
から揚げを食べたら、何だか逆にお腹が空いて来たので、橘オムライス900円を追加しちゃいました。
ちっこいので、すぐに食べ切ってしまいます。
食事メニューでは、オムライスだけに「橘」の冠が付いているので、お勧めメニューだったりするのかにゃ。
デザートでは、ケーキにも橘シリーズが有るです。
それは、明日のお楽しみに。
オムライスを食べ終わる頃には、お客さんが4人程増えていました。
2等区画も、本日は余裕たっぷりなのです。
ちなみに全て指定席で、通路の両サイドに小部屋が並んで、大部屋感は無くなりました。
通路は、無機質な感じなのですが、そんなに冷たい印象は受けません。
レストランに隣接したラウンジコーナーには、誰も居ませんねー。
名誉船長に関連した、色々な展示が有りますです。
程無く、夜間照明に切り替えるとのアナウンスが有って、私も部屋に戻りましょう。
最低限の移動でマットスペースを作って、寝てしまうことにします。
東京湾内に居るうちに寝てしまえば、船酔いすることもないでしょうし。
実際には、外洋に出ても、全然揺れませんでした。
ぐっすり。
05:00の三宅島、05:55の御蔵島、それぞれに船内放送が流れるのですが、私はそのときだけ起きて、すぐにまた寝ちゃってました。
島の観察は、復路でいいよね。
御蔵島を出ると、船内の照明が再び夜間モードになるとのことで。
レストランのオープンが近付いたところで、私も起きましょう。
デッキに出てみると、とってもいいお天気。
日差しが降り注いで、ちょっと暑い位なのです。
ここのベンチに座って、のんびり過ごすのもいいですね。
案内所には緑の公衆電話が有りますが、良く見ると、ドコモの公衆電話なのです。
乗船券切替の専用窓口が有ったりもします。
三宅島と八丈島の到着港が掲示されていますが、放送での案内がどうしても聞き取れず、謎だった港の名前が、ここでようやく判明したです。
錆ヶ浜と底土、なのですね。
御蔵島もさらっと就航表記になっていますが、これは凄いことなのです。
条件付きになっていたりしたら、私は完全に船酔いでダウンしていたかと…。
それじゃあ、朝ご飯ですよー。
このプランは朝食付きなのです。
とは言うものの、トーストとコーヒーだけじゃあ、さすがにお腹が空くので、橘抹茶フォンダンケーキ400円を追加したよ。
何故か、コーヒーとケーキが先に運ばれて来たです。
暖めたケーキは、なかなか美味しかったですよー。
トーストは、本当にトーストだけで。
シンプル。
とゆーか、ちょっと寂しい感じがするです(^^;。
朝のレストランは、他に3人程のお客さん。
皆さん、カレーとかお蕎麦とかを食べていました。
そうこうするうち、緑が濃い、八丈島の島影が見えてきました。
「橘丸」は汽笛を2回鳴らして、港内へと進みます。
私の旅も、折り返し点なのです。
デッキから、タラップを架ける様子を見守って。
ワゴン車と共に、おばちゃん達がひとかたまりになっているのは、民宿のお迎え…?。
と思ったけれど、実はお掃除担当の皆さんなのでした。
下船よりも先に、慌しく乗船して来ます。
折り返し時間、短いですものね。
到着前から、毛布の回収や清掃を始めると、船内放送でも流れてたっけ。
ここでは、10数人が下船したです。
さあて、私はどうしようかなあ。
まあ、部屋に残っていても仕方無いので、降りなくっちゃ。
昨晩、キーを受け取ったとき、折り返しでの清掃はどうするか聞かれたけれど、それは辞退しておきました。
特にゴミも出ませんし。
でっかいテトラポットが並ぶ岸壁を歩いて、取り敢えず目の前に有る建物の階段を登ります。
あ、夏色キセキで登場したの、やっぱり八丈島だったんだ。
まんまなんですもの。
私がここまで来られたのも、春の小さなキセキ。
階段から周りを見回してみると、岩だらけの海岸が有って、コンテナが置かれていて。
これは、引き渡し用か発送用に、並べて有るのかしら。
植木まで運んでます。
楽しいよ。
海の水に触れてみようと、波打ち際まで歩いてみます。
下船した皆さんは、宿やレンタカー屋さんの出迎えを受けて、それぞれに散って行きました。
地元の方は、駐車場へ。
道路がすっと真っ直ぐ延びて、雲を頂いた八丈富士が見えますねー。
いい雰囲気なのです。
ここの建物の素性も分かって。
船客待合所なんだ。
にしても、あっついよお。
東海汽船のカウンターは、当然、「橘丸」推し。
ちなみに、売店は無いみたいで、お土産が買えたりとかはしません。
「橘丸」船内にも売店は無いので、特に何も買えずに戻ることになっちゃいました。
「青ヶ島丸」も就航になっていますが、何時の間に出て行ったんだろ…?。
私は、そんな恐ろしい航路には、絶対に乗りたく有りません…。
メンタル弱いのです。
そろそろ出航時間も近付いたので、岸壁に出て、荷役の様子を眺めて過ごします。
「早出」「コンテナ荷役終了次第の出航」、なんてはっきり書かれているので、置いて行かれたら大変なことになります。
漁協のコンテナが運ばれて来るのを眺めつつ。
お巡りさんが乗ったパトカーも戻って来ました。
乗って来た船でそのまま戻るのは、特に珍しいことでは無い筈なので…。
私は不審者じゃ無いですよ♪。
貨物船への荷役も続いているね。
それはいいのですが、いつになったら乗れるのか、良く分かりません。
放送とかは流れませんし。
流れても、この位置じゃあ聞こえないよね。
荷役が途切れたタイミングで乗船しちゃいましょう。
適当な人に半券を渡して、と。
船内には誰も居なかったので、そのまま元のお部屋へと。
出航後、クルーがルームチャージ券の回収に、部屋まで訪ねて来ました。
八丈島はお楽しみ頂けましたか?。
はい。
充実していました。
汽笛を大きく鳴らして、蛍の光のメロディーが流れる中、「橘丸」は出航したよ。
約10分の遅れ。
みるみる山が遠ざかって行って、その全容がはっきりと眺められます。
バランスの取れた、いい景色。
港を出た直後から、海は澄んで、フィンスタビライザーがはっきりと見えます。
気持ちの良い航海なのです。
何だか凄く堪能した気分なのですが、まだ朝の10:00前なのですよねー。
1日が長く感じられて、お得な感じ。
「橘丸」は6階層も有るので、なかなか歩きでが有って。
全て歩き回ると、運動不足の解消にもなります。
下船まで、時間はまだたっぷり有るので、私は部屋にこもって、パソコンで内職をしましょうかあ。
作業がはかどりそう。
なのですが、どうにも駄目です。
頭が痛い。
何かダルい。
眠い。
わ、これ、船酔いの初期症状じゃないですかあ。
別に、大きく揺れてるってわけじゃ無いのですけど。
あくまで普通の揺れ。
なのに、私の体はこの波長に対応出来ないらしく。
くらくらするよー。
駄目駄目だあ。
なので作業は中断して、ごろごろしながら過ごすことにします。
あー、楽。
楽なのですが、何か負けている気がする…(^^;。
そうこうするうち、御蔵島が近付いて来ました。
帰りも勿論、就航なのです。
デッキに出て覗いてみると、港の岸壁は外洋にそのまま接していて。
これじゃあ、ちょっと波が高いと、接岸出来ないですよね。
これは大変だ。
またまた、汽笛を鳴らしての入出港となりました。
ほんの数人の出入りが有って、ほんの数個のコンテナをやり取りします。
それじゃあ、お昼ご飯です。
お腹は空いているのですよー。
カツカレー1,100円と、三宅島明日葉アイスクリーム400円
カツカレーは、作るのにちょっとだけ時間がかかるとのことで。
陸上の基準だと、かなり豪華な(値段の)カツカレーなのです。
ちなみに、レストランで一番お高いメニューは、1,150円のジャンボエビフライカレー。
ご飯を食べていたら、もうすぐに三宅島。
海はとっても穏やかで。
はい、それでも私は、くらくらしてます。
何だか、ふわふわゆらゆらした気持ち。
三宅島の岸壁も、やっぱり外洋に面しています。
急遽、乗下船口が1階層上に変更になったりして、クルーが慌しく動きます。
タラップ架けるのは、なかなかの重労働みたい。
何処の港でも、お巡りさんが参加していました。
岸壁への入り口では、乗船を待つ人達がひとかたまりになってます。
30人位かなあ。
程無く、100円で毛布の貸し出しが始まり、クルーが移動しながら毛布を貸し出して回るそうです。
後は、竹芝まで直行ですね。
遠くに見えるフェリーを観察したり、岩礁を眺めたりして、程無く私は、またダウンなのです。
起きてると頭痛が痛いので、部屋に戻ってごろごろ。
やっぱ駄目だ(^^;。
船酔いはどうしようもないですからねー。
でも、勿論、晩ご飯は食べます。
チーズカリカリ揚げ500円、シュウマイ600円、マンゴー割500円。
シュウマイは、本格的な容器で運ばれて来ました。
豪華な雰囲気なのですよ。
にしても、私はレストランにお金を使い過ぎみたい。
陸上と比べると、やっぱりお高いですし。
でも、船の中、しかも離島航路なんですもの。
むしろ安い方かと。
味の方は、全て普通な感じ。
普通なのって、大事ですよね。
レインボーブリッジをくぐったところで、到着の案内放送が流れたです。
間もなく、下船だよー。
マットを畳んで、部屋を整えて、自分の痕跡を全て消します。
私は、室内のゴミ箱も使わない人ですもん。
アメニティの袋をひとつ、貰って帰りましょう。
下船後、改札口で乗船券の残りを渡して。
そのままターミナル前の広場へと誘導されます。
今日は金曜日。
「さるびあ丸」も運航するので、ターミナルは賑やかでした。
結局、船酔いにかこつけて、ぐーたらする船旅になっちゃいました。
いつも通り。
もっと景色を満喫しなくっちゃ駄目ですよねー。
見所は色々と有るのですもん。
そんな船旅の魔法の呪文は、るまなばちた、で決まりかな。