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白い船 映画感想

第**話〜第**話

 ここには、映画本編とメイキングの感想があります。
 テレビでは初放送、とのことでした。

■04/07/21 「白い船」

 物語は、大嵐の中、海で必死の捜索をする場面から始まります。
 でも、着ている服や船を見ると、時代がどうしても合わないんですよね。
 かなり、昔みたい。
 もしかして別の映画を録画しちゃったかな?、なんていう不安感を持つうち、本編が始まりました。
 こういう構成になっている理由、それは後でちゃんと分かるわけですが、私はこういう演出って、あんまり好きじゃないかも。
 もっと対象をストレートに描いても良かったんじゃないかな、って。
 まあ、あんまり直球過ぎたら、映画にしようが無いっていうのもありますよね…。

 それはともかく。
 子供たちは本当に元気で、もう走り回ってます。
 全然じっとしてないで、画面狭しと走りまくってるの。
 好平と妹もそう。
 「おにーちゃん、待って!。待ってよー」。
 一生懸命走って、ついていく姿が健気だったりして。
 生き生きと描かれた子供達からは、それだけでもう元気を貰ってしまいますよね。
 秘密基地を作って隠れている男の子たち。
 追いかけていく女の子たち。
 ちょっとしたかけひきもあったりして。
 うんうん、幼い頃は、そんなことやってたよ。
 みんな、誰にだってそんな経験があるよね。

 それに対して、静香はお疲れ気味なの。
 「全校生徒は17人、教職員6人」。
 そんな、ナレーションにも、疲れが滲み出てたりします…。
 でも、お友達や妹との会話を聞いていると、少しずつ少しずつ変わっていく様子が良く分かるのでした。
 人の気持ちとかやる気って、やっぱり人と人との触れ合いで取り戻して行けるものなんだって、私は思いますもん。

 ちょっと残念なのは、白い船の正体を見付けたのが、校長先生だったということ。
 船長に手紙を書こうって提案したのも、静香でしたし。
 子供たちが自分自身で見付けて欲しかったな。
 乗船の実現が、新聞記事をきっかけにして、っていうのも私には意外でした。
 子供たちは、意外にも自分から乗ろうとはしないんですよね。
 そして、漁船に乗って出て行っちゃうの。
 直江津や博多って、やっぱり塩津からは遠いんだなあ、ってことを実感したりします。
 れいんぼうらぶだって、20時間30分かかるんですもん。
 保護者会でも心配してましたけど、フェリーは勿論、長いバスの旅に子供たちが耐えられるのかどうか。
 私だって、それはきついって思いますもん。
 好平たちは、今の自分達に出来ることを、精一杯やったみたい。

 でも、子供達だけで漁船に乗って、海に出るのは危ないの。
 陸が分からなくなるのは、確かに。
 やみくもに走り回ったりしなかったのは、偉いです。
 海は色々な表情を見せます。
 魚やサザエを育んだり、優しかったり、怖かったり。
 台風の中でれいんぼうらぶわ見ても、それで幸せだったかなあ。
 じーちゃんの台詞が、心に染みるのでした。

 校長先生も頑張ってました。
 30分だけでも、境港へ寄港して欲しい。
 塩津沖に停泊して欲しい。
 でも、安全・正確な輸送が使命のフェリーには、どうしてもそれは出来無くって。
 当然ですよね。
 夢は、そう簡単には叶わないけれど、いつかきっと叶います。
 そして、夢が叶った先には、一体何があるのか。
 そういうことですよね。

 本編開始から40分を過ぎた所で、やっと白い船が登場です。
 ずっと見えなかった白い船が見えて、それだけで私は感動しちゃいました。
 でも、この時点では、窓から見える白いものは出て来ません。
 やっぱり、カメラには写らない位、遠いんでしょうね。
 手紙、電話、ファクスでの交流が続いて。
 そういうのって、嬉しいな。

 そしてそして、いよいよれいんぼうらぶが塩津小学校に接近して来ます。
 階段を登りながらの、好平と静香の会話がとぼけていて、ちょっと可笑しかったです。
 まだ実感がわかない様子の好平と、心底びっくりしてる静香。
 うん、それは大変だよね。
 肉眼ではっきりと見えるれいんぼうらぶ。
 白い船。
 感動です。
 船って、本当に色々なものを運んでるんですよね。
 未来だって、運んでいます。
 そんな気持ち、伝わりますか?。

 みんなが乗船したとき、ブリッジや機関室の様子も写されていました。
 フェリーひむかに乗る前にこの映画を見ていたら、ひむかで同じアングルの写真を撮ったのにな。
 ちょっと残念です。
 それと、出港のときって、船長さんの指示と復唱、ああやってるんだあ。
 初めて知りました。

 一畑電鉄の電車とバスも、もう出まくってましたね。
 直江津へ向かうときに乗った白いバス、あれは一畑のバスなのかなあ。
 社名は写りませんでした…。
 そして、EDでは、地区別の船頭部の皆さんの名前が沢山出て…。
 名前と一緒に船名が出ていたの、凄く印象に残ったのでした。

 同時に放送されたメイキングでは、2001年08月30日に乗船しての撮影が行なわれたことが分かります。
 50艘以上の漁船が集結したんですって。
 本当に、凄いシーンでしたもんね。
 「速い船はなるべくれいんぼうらぶに近付いて全速力で!」なんていう指示が飛んでいるのが聞こえました…。

 塩津小学校と九越フェリーとの交流は
 今も続いています。

 ラストに出て来るこのクレジットを、私は嬉しい気持ちで眺めたのでした。
 まさにそれが、夢のその先、なんですもんね。
 現在のニューれいんぼうらぶは決して豪華フェリーでは無くなってしまい、船内に海の子レインボー新聞のコーナーもありませんが、今でも直江津と博多の間を行き来していて、博多行の午前10時00分から10時45分の間に、塩津の沖を通ります。

 最後に、東日本フェリーのパンフレットに書かれていた、船名の由来を…。

 れいんぼうべる。
 「れいんぼう」は、博多と直江津を日本海側で結んだその航跡の形から、また「べる(鐘)」は希望へのスタートをイメージすることから、合わせて希望への架け橋として命名。

 れいんぼうらぶ。
 国境を越え言葉を越えて人の心を強く結びつける愛の架け橋として命名。

 レインボー。
 虹の七つの色、七つの光のプリズムは、七つの海へと繋がっています。
 虹を見ることが出来る人は、きっと愛を知っている人。
 そしてベルは、希望の鐘、祝福の鐘。
 虹の向こうから、きっと新しい明日が生まれる音がするんだって。
 We are rainbow, each other☆.

 素直な心は、誰にも負けない宝物なのです。

※日本映画専門チャンネルにて、2004年7月放送。感想の日付は、放送日です。

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