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旅のしおり

 ここには、せとうち物流「おれんじぷりんせす」多度津−福山、の乗船記があります。
 この旅の前の様子はこちらをどうぞ(^^)。
 多度津の駅で降りて、事前にプリントしておいた地図を見つつ、フェリー乗り場へと歩きます。
 1キロ位かなあ。
 右手に、JR四国の多度津工場を見つつ…。
 あつあつ。
 日射しは、もうすっかり真夏ですね。
 地図ではフェリー乗り場が二つあったので、???と思っていたのですが、手前にあるのは島を辿って行く航路みたいでした。
 その先に、港湾付属の待合室があって、最初はここが乗船場所なのかと…。
 更に歩くと、結構しっかりした作りの事務所があって、お土産品とかも売ってます。
 ここはコムレイドカードの割引が使えるので、更新済みのカードを出して、と。
 こんなカードあったかしら?、と怪訝な顔をしていたおねーさんは書類を確認して、200円引いてくれました。
 私は、割引申請書みたいな紙に、必要事項を記入します。
 ちなみにここのフェリー、自動車を積むと、同乗者の追加運賃は一切いらないんですって。
 利用者の立場では、いいシステムですよね。
 そして、発行された乗船証、「おれんじぷりんせす」のイラスト入りなのでした☆。

 多度津駅のホームには、こんな看板が出ています。
 国鉄時代は、連絡運輸をしていたんですねー。

■06/06/28 せとうち物流「おれんじぷりんせす」乗船記 10:00→11:45

 程なく、折り返しとなる「おれんじぷりんせす」が入港して来ました。
 外見は、ちょっとボロく見えるかも…。
 まあ、1時間45分の短距離航路だもん。
 ここには、このお船しか無いみたいですね。

 下船の人と入れ換わりに、私もすぐ乗船。
 トラックを別にすると、一般客は10人弱でした。
 船内を一回りしてみると、何げに歩ける範囲が広くって、結構歩き甲斐があります。
 さすがにスナックコーナーは閉鎖されていましたが、色々な設備があって。
 最前部はカーペット敷きになっていて、その後ろにずらっとイス席があり、窓側の席はテーブル付き、真ん中にサロン風のイス席と自販機があって、後部にはカーペット敷きのお部屋が二つ。

 後でカーペット席を良く見たら、左舷側がドライバー席、右舷側がレディース席と書いてありました。
 つまり、徒歩の男性は行き場所がありません(^^;。
 まあ、ドライバーさんは全然上がって来ないので、ずっと空いてましたけど。
 ここはカーテンを締めてもいいみたいで、おねーさんの二人連れが、カーテン引いてお昼寝していました(笑)。
 一番後ろは、トイレ。
 和式と洋式を併設しています。
 あんまり清潔な感じじゃありませんけど。
 デッキも結構広くって、イスが沢山置いてあるので、ずっとそこで過ごすことも出来ます。

 おねーさんの一人は、ずっとそこに座っていました。
 結構暑いと思うのに、気合いの入った船旅ファンなのかしら。
 なんて、実はわんこ連れだったからみたい。
 その、最後部の吹きさらしのデッキには、何故か菓子パンとおつまみの自販機があったりもします。

 船内の掲示をひとつひとつ見て行くと、アンケートとその回収箱がありました。
 結構熱心な会社なのかなあ。
 船長と機関長の氏名も掲示してありました。
 福山側では、650円で特製手作り弁当の予約も受け付けてくれるんですって。
 下船のときに覗いてみたら、ちょっと安い550円のお弁当を売っていました。
 連絡バスの時刻表も確認して。
 この便の場合、5分後に接続して、中国バスがあるみたい。
 良かったあ。
 せとうち物流のサイトを見ても、徒歩の場合のアクセス方法なんて、全く書いて無いんですよね。
 サイトから福山港の地図をプリントしてみたら、信号二つだし、徒歩でも10分位…?。
 たまたま同僚に福山出身の人が居て、何となく道を聞いてみたら、バスでも20分はかかるって言われて、大ショック。
 事前に分かって良かったよお。
 だって、その後の予定が…。
 これで、足は確保出来たよ。
 にしても、なんてアバウトな地図なんでしょう(^^;。

 さあ、出港するよ。
 海の水、何か変な臭いがするっす。
 くちゃい(^^;。
 まあ、工業地帯ですから…。
 港外に出るまで、客室に引っ込んでようっと。

 右手の島を見つつ、港の回りだけに家があるけれど、ああいう島に泊まってのんびりするのもいいかなあ。
 その他の島は、みんな無人島…?。
 曇っているので視界は全然利きませんけど、何か楽しいぞ。
 なので、殆どずっとデッキで過ごしちゃいました。

 10時20分頃、前方にオレンジフェリーが見えて来ました。
 時間からすると、「おれんじ7」かな…?。
 前方を、垂直に横切って行って。
 デジカメの望遠では、ぼんやりとしか映って無かったです。

 その後も、沢山のお船と行き交います。
 10時55分、ふと振り返ると、左舷側、何だか見たことのあるRORO船が併走していて…。
 あれ…?。
 あれれ…?。
 もしかして、黄隆丸…?。
 思わず走って客室を横切り、反対側のデッキへ。
 そんな私の姿を見て、他のお客さんがびっくりしていました…。
 すいません(^^;。

 やっぱり黄隆丸だよー。
 懐かしいなあ。
 日通のマークが付いていますが、船主は日通ではありません。
 日通が傭船している、JFE(旧NKK)のコイル専用RORO船です。
 西日本製鉄所福山地区(旧日本鋼管福山製鉄所)に向かってるんだあ。
 こちら側から見ると、のっぺらぼうでイマイチの外見ですが、反対側から見ると、結構格好いいんだよ。
 就航当時はもっと格好良かったのに、改造されちゃいました。
 塗装は変わって無いけれど、これは当時からイマイチ(^^;。
 白隆丸、黒隆丸、黄隆丸、紫隆丸、碧隆丸と同型の姉妹が居ますが(当時)、塗装は黄隆丸が一番駄目ですねえ。

 この黄隆丸、当時は福山と横浜の本牧をピストンしていたのですが、日産自動車の座間工場閉鎖で本牧の基地が集約され、その後は何処にシフトしたんだろ。
 時間的に、市川の塩浜からの帰りかな…?。
 ちなみに、JFE物流(旧エヌケーケー物流)の大阪と仙台の流通センターは、まさにフェリーターミナルの対岸にあるので、この黄隆丸、見たことがある方も居らっしゃるかもしれませんよ(笑)。

 黄隆丸の方が船脚は早いので、するすると抜かれてしまい、福山接岸でごそごそ転回している様子も見えましたが、私の「おれんじぷりんせす」はなかなか追い付けません。
 私はデッキの最前部に張り付いて、ずっと懐かしい黄隆丸を眺めていたのでした。
 当時はこの黄隆丸の配船で色々と泣かされたけれど、そんなことはもうみんな忘れましたよお(笑)。

 右に見える青い小屋みたいなのが、コイルのパレットです。
 と言っても、素人さんには分からないかな?、かな(←偉そう)。
 あの中に、クレーンでコイル(薄板)を入れて、Uフレーム(パレットキャリア)っていう、車輪がいっぱい付いたお化けみたいな車(日本車輌製造)で船の入口に置くと、後は船のリフトが自動で船内に格納してくれます。
 パレットとは言っても、あれ一つでマックス100tになるので、結構大掛かりなシステムなんだよ。
 おかげで、雨の日にもコイルの荷役が出来るようになり、破損も大幅に減ったそう。
 私も、ちょっとだけ関わっていたので…。
 もう、本当に懐かしいです。
 えへへ。

 この航路、私の行程にぴったりなので、たまたま利用してみたのですが、実は凄い掘り出し物でした。
 とっても楽しかった。
 福山接岸前に汽笛を鳴らして、福山に到着。
 ターミナルをちょっとだけ見学したよ。
 なんて、のんびりしていたら、フェリーの前方にバスが停まっているのが見えたので、慌てて乗り場へ行きます。
 何となく、バスはターミナル正面に横付けなのかと思っていたので、別に乗り場があるなんて、思いもしませんでした。
 危なく、置いて行かれる所だったよう。
 そういえぱ、多度津で乗船券を買ったとき、バスの利用を聞かれたっけ…。
 少しは待ってくれるのかしら(^^;。
 タクシーは何台か停まってましたけど。
 福山駅まで、やっぱり20分かかりましたねー。
 福山はバラの街とのことですが、私にとっては、今も日本鋼管の街でした。
 この旅の後の様子はこちらをどうぞ(^^)。


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