「Top」 [旅のしおりのMenu]

旅のしおり

 ここには、新日本海フェリー「すずらん」苫小牧東−敦賀の乗船記があります。
 スタートは、苫小牧駅22:00発の連絡バスからっ。
 運行は、苫小牧市営バスから道南バスに変わっています。
 発車の10分前に乗り場へ行きましたが、路線タイプのバスに乗ったのは、私1人だけ。
 運転手さんは、同僚らしき人に「それじゃ行って来るよー」みたいな挨拶をして、発車です。
 往復すると、ちょっとした長旅ですものね。
 今日のこのバスは、運転しやすいから、比較的楽なんだそう。
 いつも通り、約40分で苫小牧東のターミナルに到着です。
 バスの前で待っていた新日本海フェリーの方に、700円を支払ったのでした。

 この旅の前の様子はこちらをどうぞ(^^)。

■13/05/17 新日本海フェリー新「すずらん」乗船記 苫小牧東23:30→敦賀20:30

 新造船に置き換わってから、初めての「すずらん」です!。
 南行への乗船も初めてだね。
 予約と決済は事前にネットで済ませて、「e乗船券お客様控え」を印刷して来たので、ターミナルのカウンターに寄る必要は有りません。
 真っ直ぐターミナル内の待合室へと進みましょう。
 乗船を待っている方は、5名程。
 連絡バスの到着に合わせたような感じで、すぐに乗船開始の案内放送が流れたよ。

 あ、「e乗船券お客様控え」には、次のような記載が有って。
------
出港の60分前〔05/17(金)22:30〕までにお越しください。
◎出港時間の30分前迄に到着されない場合、予約取消とみなします。
------
 予約取消だなんて、厳しいね。
 ちなみに、連絡バスで来ると、出港60分前の到着は不可能だったりします(^^;。
 まあ、そもそもカウンターに寄ることが無いので、乗船するまで、来ているのか来ていないのか、分かりませんけど。

 今回も、前回の「すいせん」乗船のときと同じく、ツーリストAの利用だよ。
 窓の前の、対面にベッドの無い区画を指定。
 食事オプションで、グリルランチ「北海の春 創作彩々」も予約しています。
 グリルの種類とお値段も、ちょっとだけ変わったです。
 クレジットカードで決済して、合計12,800円でした。

 「e乗船券お客様控え」のバーコードをハンディスキャナで読み取って貰い、船内へと進みましょう。
 「すいせん」以来、もう1年近く経つのですよねー。
 懐かしいな。
 案内所で、お部屋の場所を教えて貰って、と。
 あ、また、グリルの案内を受けてないや。
 グリル予約の有無、以前は別紙がホチキス留めされて分かり易かったのですけど、今は印字が1行追加されているだけなので、自分から申告しないと、絶対に気付いて貰えません(^^;。

 ツーリストAのベッドに行くと、ふわっと新日本海フェリーの匂いがしたよ。
 何か、そういう匂いが有るのですよね。
 あ、新日本海フェリー!っていう感じの匂い。
 決して、不快な匂いでは無く、懐かしい感じなの。

 出航後に確認したら、同室の方はお2人だけ。
 案内図でも分かりますが、上段ベッドの無い、広々としたベッドも有りますよー。

 右の写真、左側が上段の有るベッドで、右側が上段の無いベッド。
 ネット予約でも、シートマップで好きな場所を指定出来ますから、お勧めです。
 ちなみに私は、窓側が好き。
 出入りする人が通らないので、のびのび出来ちゃいます。
 あ、勿論、全てのベッドランプにはコンセントが有りますよん。

 こちらは、上段のベッドと、足元です。

 荷物を置いたら、船内の探索に出ましょうかあ。
 ここに居たら、絶対にクルーが訪ねて来ますもん。
 出航まで、ベッドには戻らない覚悟です!。
 …って、自分から案内所へ行けばいーのに(^^;。

 売店では、夜食の販売は無いみたい。
 後でニチレイの冷食を食べようかなあ。
 そんなことを考えつつ階段を登ると、何と!カフェが営業中。
 乗船しているお客さんはとっても少ない筈なのに、これはびっくり。
 出航後、00:00まで営業しているのですって。
 嬉しいな。
 早速ビーフカレーを注文したです。

 番号札を貰って、と。
 片隅に置かれた新聞を読みながら、出来上がりを待ちましょう。
 あ、ちなみに、商船三井フェリーや太平洋フェリーと比べると、パンフレット類の搭載はとっても少ないです。

 出来上がると、席までわざわざ届けてくれて。

 ビーフカレー700円だよ。
 メニューによると、正式名称は「新日本海フェリー特製ビーフカレー」なんだそう。
 この時間、私の他にも、数人の利用者さんが居ましたあ。

 カレーを食べていると、「お伝えしたいことが有りますので」って船内放送が入ります。
 あ、私が呼ばれているね。
 後で案内所に寄らなくっちゃ。
 カフェの階段を降りると、案内所は別のお客さんの応対をしていたので、寄るのは後回し。
 その後、もう一度呼び出しの放送が入ってました(^^;。
 グリルの説明を受けて、「グリルのご案内」を受け取ります。
 今回は、12:30スタートとのこと。
 乗船券の提示を求められましたが、さすがに持ち歩いていないので、取りに戻ろうとしたらそのままでOKになりました(^^;。

 次はお風呂だあ。
 更衣室のロッカー、酸っぱい匂いはもうしなくなっていました。
 誰も居ないお風呂でのんびり。
 露天風呂は、明日ゆっくり入りましょう。

 出港5分前になると、放送で銅鑼の音が流され、蛍の光のメロディが流れて来ました。
 こういうのって、船旅ならではの雰囲気が感じられて、私は大好きです。
 どんどんやって欲しいなあ。
 今回は、出港のとき、汽笛まで鳴らしてくれたもん。
 思い出作りのお手伝いをしてくれるのは、とっても嬉しいのです。

 デッキに出てみると、対岸の発電所の照明がぎらぎらと輝き、そのバックには赤い三日月が重なっていて、夜空に独特な雰囲気を醸し出していたよ。
 工場萌えっていうジャンルが有るのも納得なのです。
 私の他、もう1人デッキに出て来た方も、一生懸命写真を撮っていました。
 程無く「すずらん」は離岸して、ぐるっと転回し、汽笛を響かせて苫小牧東港を後にしたのでした。

 消灯時間に合わせて、私も寝ちゃうことにします。
 お客さんはとっても少なくって、静かな航海になりそうですねー。

 翌朝は、レストランのオープンを告げる放送で目が覚めました。
 現在08:00。
 男鹿半島の沖を、順調に航行中とのことです。
 折角なので、ご飯を食べに行きましょうかあ。
 バイキングでは無く、カフェテリア方式での営業とのことですし。

 朝から、ババロアとか食べるヤツ(^^;。
 これ、毎回食べてるような気がして来ました…。
 合計で、1,160円。

 広々としたレストラン、中央には、謎のピラミッドが…。
 近くで見ると、水耕栽培の、野菜のプラントなのでした。
 「すいせん」では、ここにオブジェが置かれていたっけ。
 植えられた野菜がほんのちょっとなのは、寂しいかも。

 ご飯の後は、お風呂だね。

 誰も居ないお風呂に入って、露天風呂に出入りして、のんびりします。
 風はやっぱり強く、冷たくって、お外に出ると、一瞬息が止まっちゃう。
 ひっ、って。
 真冬はどんな感じなのかなあ。

 隙間は結構開いていて、まさに露天風呂!、なのですよ。

 お風呂場の脱衣場には、マッサージのイスと、ジュースの自販機と、ベビーベッドが設置されています。
 ロッカーが中央に有るのは、混雑時にもいい配置だと思います。

 この航海で、お風呂には都合3回入りましたけど、常に私1人だけで、他の方は誰も入って来ませんでした。

 デッキに出てみると、波は全く有りません。

 真下のドッグフィールドを、わんこを連れた人がお散歩中。
 あ、良く見たら、ドックフィールドには入らず、普通にデッキをお散歩してました(^^;。

 その後、ベッドに戻って、ごろごろうだうだ。
 自堕落出来て、とっても嬉しいのです。
 09:53になると、船長さんと機関長さん、事務長さんのお名前が紹介されて、船長さんから挨拶の放送が有りました。
 現在地は、佐渡ヶ島の北200キロ。
 風は弱く、波も無く、26ノットで航行中とのことです。
 14:00頃、右に舳倉島を見て、15:00頃には輪島沖に達するそう。
 島が近付くと、携帯が突然圏内に入るので、それと分かりますよねー。

 ん、穏やかな航海になりそうです。
 デッキから覗いてみても、波は全然無くって。
 私が新日本海フェリーに乗ると、いつも常に凪ぎだったりします。
 今日も、悪天候の合間にうまく入り込めたみたい。
 古い宗教画なんかに、魑魅魍魎の跋扈する大嵐の海を、天使の照らす光に守られた船が、そこだけ凪ぎの中を静々と進んで行く、みたいなのが有りますけど、そんな感じ。
 天使の光で、べた凪ぎだよ。
 実は、「すずらん」自体が、舞い降りて来た白い天使なのかもしれないね。
 なあんて油断していると、突然、牙を剥いて襲い掛かって来るのですよねえ。
 この天使は(^^;。

 10:08になると、10分後に進行方向右側で姉妹船「すいせん」とすれ違うとの案内放送が流れます。
 「この先の安全運航を祈り、汽笛の交換を行います」との予告まで有って。
 わ、凄い!。
 今までの旧船の「すずらん」「すいせん」だと、殆どそのまま素通りだったのに。
 こういうの、嬉しいな。
 お客さんが殆ど乗船していない閑散期なのに、深夜のカフェがオープンしていたり、新日本海フェリーもイメージアップに頑張っているのですねー。
 新日本海フェリーは、時々凄いよ(^^)。
 汽笛を鳴らす一手間だけで、断然印象は良くなりますもの。
 特にお金もかからないですしっ。

 まずは、フォワードサロンへ行って、近付いて来る「すいせん」をお出迎えしましょう。

 L字型のフォワードサロン、さすがに昨晩はオープンしていませんでした。
 鉄仮面の装着は無く、全ての窓から外の景色が見えて、柔らかで暖かな雰囲気だよ。
 私の他にも、「すいせん」を見にお客さんが来られて。

 有る程度近付いたところで、デッキへと移動します。
 タイミングを誤ると、追い越されちゃうのですよねー。
 フォワードサロン入り口の扉は、レインボー塗装になってますよん。
 同じ日本海に就航していた、「れいんぼうらぶ」「れいんぼうべる」を思い出させます。

 いつもの北行と違って、こちら側からが順光になるので、「すずらん」の白い船体が、5月の日差しの中、鮮やかに浮かび上がって。
 空と海は青く澄み、風は優しさ、潮の香り。

 「すいせん」が先に汽笛を鳴らして、続けて私達の「すずらん」が応えます。
 姉妹船の、お姉ちゃんと妹ちゃんは関係無く、経験の浅い船長さんの方が、先に挨拶するのでしたっけ…?。
 デッキに出て来られたのは、3人位だったかしら。
 なにしろ、空いてますから…。

 基本、何処も誰も居なかったりします…。
 あ、救命浮き輪に記載の船籍港は、北海道小樽市になっていました。

 自分のベッドに戻って、パソコンいじってごそごそしていると、お昼のグリルの時間です。
 時間ぴったりに、グリルへと行きましょう。

 既に開いていた扉から入室すると、私1人分だけの席が用意されていて、ふわわ、やっぱり私1人だけなのですね。
 かなりの確率でこうなので、何だかすっかり慣れちゃいました。
 クルーの姿は見えないけれど、その席に付いて、ドリンクのメニューを眺めます。

 気配に気付いたおねーさんが出て来てくれたので、日本酒をオーダーします。
 はっきり言って、1人だとかなり手持ち無沙汰なので、小瓶で出て来る日本酒はとっても便利なのです。
 手酌で注いだりしていれば、ちょっとは気が紛れるもん(^^;。

 お料理は、こんな感じで。
 南行は、お昼ご飯が和食になりましたっ。

 美味しかったですよー。
 いつも、道内を殆ど素通りしてしまう私には、船内にグリルが有るのは、とっても嬉しいのです。
 最後に、デザートのケーキとコーヒーを頂いて、ドリンクの代金を支払います。


 領収のスタンプは、さすがに新造はしなかったのですね。
 おねーさんにお料理の感想を聞かれたので、美味しかったですと答えて、凄い空いてますよねー、なんて話をします。
 お恥ずかしいです、なんて言われちゃいました…。
 ちなみに、グリルにはマルゴーっていう名前が付いています。
 レストランはプロヴァンス。
 語源はフランスの地名かなあ。

 それじゃあ、船内の探索に出ますよお。

 左は、フォワードサロンのお隣に有る、喫煙室。
 殺風景な隔離部屋って感じだにゃあ。
 わざと、長居は出来ないようになっているのかしら。
 右は、通路のダンジョン。
 この「すずらん」は、そんなに複雑な構造では無いので、分かり易いのです。
 
 上等級の区画、中央は吹き抜けになっています。
 こちら側、インサイドにお部屋は無いので、通路の明り取りですねー。
 「あかしあ」や「はまなす」程の需要は見込まず、船室を省略したのでしょうか。

 エントランスには、ずばりカップ麺コーナーっていう区画が有ったりして。

 カップ麺関係の全てが、ここで完結するようになっています。
 新日本海フェリーと言えばカップ麺、なのでしょうか(^^;。
 以前は、オリジナルのカップ麺まで売ってましたものね。
 私はカップ麺が苦手なので、船内で食べることも無いと思いますけど…。

 ランドリーには、洗剤の自販機も有るです。

 旅先で洗濯する必要が出て来る位の、長旅をしてみたいなあ…。
 現実には、2泊3日が私の精一杯だもんっ。
 その分、回数で勝負しているような感じ。
 往復の交通費を考えると、効率が悪いのが難点です…。

 そんなこんなで、カフェがオープンするとの放送が流れたので、私も何か食べようっと。
 って、さっき、グリルでご飯食べたのにい。

 きつねうどん(温玉付き)600円です。
 あくまでおやつ代わりなのですよー(^^;。
 売店の方は、結局利用しませんでした。

 さあて、船内探索の続きっ。

 このオブジェの槍は、色を少しずつ変えて行きます。
 何を意味しているのか、解説が有ったかは覚えていません…。
 無かったとは思うのですが(^^;。
 この後、ベッドに戻って、すやすやとお昼寝です。
 入港まで、時間がたっぷり有りますから、自堕落出来ていいですよねー。

 それでは、最後に晩ご飯を食べましょう。

 晩ご飯は、1,380円。
 生ビールと豚の柔らか煮と野菜チキングラタン。
 何だか、食べ物にばっか、物凄くお金を遣っているような気がしてます。
 気のせいなんかじゃ無いですよねえ(^^;。

 そんなこんなで。
 18:47になると、放送が入ります。
 カーデッキで固縛の解放を始めるので、15分程異音がするけれど、故障や異常では有りません、と。
 随分と丁寧な案内ですが、確かにガンガンと怪しい音がするので、心配になって問い合わせをしたお客さんが居たのでしょうね。
 下船が近付いたので、案内の放送が賑やかになります。
 ドライバールーム向けに、ヘッドホン返却依頼の放送なんかも流れて。
 ドライバールームも、ツーリストSと同じ作りなのかなあ。
 私が見た感じ、ツーリストSの利用者さんは居なかったみたい。

 更に敦賀港が近付くと、出航船の関係で、10分遅れになるとのことでした。

 徒歩での下船は、3人だけ。
 苫小牧と同じく、バスに乗ったのは、私1人だけなのでした…。
 おねーさんが無線で確認の上、バスはすぐに発車したよ。
 なので、20:58の福井行きに間に合ってしまいました。
 駅に着いたとき、発車まで5分を切っていたけれど。
 バス代の小銭340円と、福井まで950円の切符は事前に用意して有ったので、速やかに乗換えが出来て。
 急ぐ旅では有りませんが、敦賀で1時間待ちになるのも、暇ですからねー。
 そうそう。
 下船前、デッキから敦賀の景色を眺めていたら、レストランの窓に鳥さんが…。
 あ!、鳩!。
 海の上で鳩っていうのは不思議な感じなのですが、羽を膨らませていて、近付いても逃げません。
 苫小牧から密航して来たわけではないのでしょうし、猛禽類に追われて、逃げ込んで来たのかな?。

 この旅の後の様子はこちらをどうぞ(^^)。


「Top」 [旅のしおりのMenu]

 ゆかねカムパニー ©C.Maya 2013