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旅のしおり

 ここには、太平洋フェリー「いしかり」伊勢湾ランチバイキングクルーズ、の乗船記があります。
 新しい「いしかり」の一般営業運航は、これが最初ってことでいいのかな…?。
 決して処女航海では無いので、特別なイベントは無かったけれど。
 震災の影響は、やっぱり大きくって。
 本来なら、11/03/13に就航だったのにね。
 それでも、普段は乗らないようなクルーズに参加出来たのは、貴重な体験でした。
 楽しかった(^^)。

 この旅の前の様子はこちらをどうぞ(^^)。

■11/04/16 太平洋フェリー「いしかり」伊勢湾ランチバイキングクルーズ乗船記 名古屋12:00−名古屋14:45

 貰って来たパンフレットによると、伊勢湾ランチバイキングクルーズ、当初のスケジュールは以下のようになっていました。
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 04/10「きそ」
 04/16「ニューいしかり」
 04/30「きそ」
 05/08「きそ」
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 04/10の「きそ」は中止になってしまいましたが、04/16の「いしかり」以降は予定通り開催されるんだあ。
 私はですね、教えて頂くまで、それには全く気が付かなくって。
 04/16に日帰りで名古屋へ行く予定を組んでいたのも、全く偶然なのですよー。
 太平洋フェリーの公式サイトを確認すると、該当のクルーズが確かにスケジューリングされていて、前日までネットからの予約が可能とのことなのです。
 早速、申し込んじゃいました。
 その前に、会員登録を済ませて、と。
 そこから始まるですかあ(^^;。
 通常、太平洋フェリーのクルーズは、早くから満員になってしまうみたいなのですが、さすがにこの時期、全てが予約可能な状況だったよ。
 その後、GWのクルーズは全て定員に達したみたいで、良かった良かった。
 自粛ばかりだと、大変なことになってしまいますものね。

 さて、当日。
 09:16着の「こだま」で名古屋に来たよっ。
 あおなみ線に乗り換えだね。
 まだ時間はたっぷり有るし、終点の金城ふ頭まで行って、ターミナルまでは歩いちゃおうかな。
 350円の切符を購入。
 ホームへと向かうと、09:21発の列車の発車ベルが鳴っていたので、慌てて飛び乗って。
 あ、これなら、野跡からの市営バスに間に合いそう。
 てことで、予定を変更して、野跡からのバスに乗ったのでした。
 本当は、1時間後のバスに乗っても、受け付けにはぎりぎり間に合うのですけどねー。
 今回は、余裕を重視なのですよ。

 野跡のバス停には、10人位の人達がバスを待っていました。
 車内の人達と合わせて、約20人が太平洋フェリーの利用者さん。
 徒歩乗船の人は、やっぱり少ないのです。
 皆さん、やっぱり車で来られるのでしょうね。
 ターミナルの入り口で見ていたら、乗用車が次々と到着して、駐車場へと誘導されていました。
 岸壁に、いつもの乗船待ちの要領で、縦に並んで駐車して行くです。

 程無く10:00になって、クルーズの乗船受け付けが始まったよ。
 ターミナルのカウンターに、ずらっと行列が出来ます。
 私は、一番最後でいっか。
 そんなに急いで手続きをしても仕方無いですし、そもそも私は行列が大の苦手なので…。
 堪え性が無いのですよー(^^;。
 まずは「いしかり」をじっくり眺めましょう。
 トラックの下船が続く中、船首へと岸壁を歩いて行くです。

 新しい「いしかり」の就航を告げるラッピングを纏ったトラックが、何台も停まっていました。
 新造船のプロモーションにはかなり力を入れていたと思うのに、就航のタイミングが悪かったのは、さすがに気の毒になってしまいます。
 東京港でのお披露目の真っ最中に地震が発生して、更には津波警報まで発令されて…。
 当然見学は中止になって、直ちに沖へと出航したそうですね。
 津波の被害が無かったのは、不幸中の幸いでした。
 今日この日、ここでぴかぴかボディの「いしかり」を眺めることが出来た幸せを感じつつ。
 一番大切なことって実は、何気無いありふれた日常、なのかもしれません。
 失くして初めて分かることでは有りますけど…。

 今日の名古屋はとってもいいお天気で、歩き回っていると、汗ばんでしまう位。
 あつ…。
 歩き疲れたので、ターミナルに戻ってみましたけど、行列はやっぱり解消していなくって。
 なので、バス停のベンチに座って、時間を潰します。
 日が翳ったら、風が出て来て、ちょっと肌寒くなりました。
 錆の浮き上がったバス停に傾く影…。
 さすがに時間を持て余して、お隣の埠頭の、スクラップの山から磁石で鉄を選別しているクレーンを眺めてみたりして。

 野跡10:43発の市営バスに乗って来られたのは、お1人だけでした。
 このバスだと、受け付け時間ぎりぎりになってしまいますものね。
 ただ、公式サイトにもこのバスの時間が乗っているので、太平洋フェリー公認なのです。
 ずるじゃないよ。
 いえ、ずるってゆーか(^^;。

 私もそろそろ、クルーズの受け付けをしましょうかあ。
 一番最後かと思ったけれど、私の後にも、順番待ちの方が居らっしゃったです。
 むむむ(笑)。
 いつもと同じように、カウンターにクレジットカードを提示して、と。
 さすがに、乗船名簿の記入は必要有りません。
 ネット予約だと、6,700円から5%割引なのですよ♪。

 周遊搭乗券と、お食事券が発行されたよ。
 食事の時間は選べません。
 てゆーか、最後の受け付けなので、当然のように一番最後の時間になります。
 別にお腹は空いてませんしねー。
 C班、13:00スタートです。
 同時に渡された船内案内図は、伊勢湾ランチバイキングクルーズの専用バージョン。
 プログラムの紹介も兼ねています。
 今回のイベントは、ストリートパフォーマンスですよー。

 「いしかり」の主機は2軸推進で、JFEの16PC2-6Bが採用されているのが、この船内図から分かります。
 調べてみると、PC2シリーズはシリンダ径400mmの、JFEエンジニリアリングのエンジン。
 最大速力は26.50ノット。
 旅客定員は777名で、車輌の積載台数は、12メートルボディのトラックやバスが184台と乗用車100台。
 さっすが大型フェリー、偉大な輸送力なのです。

 ちなみに、個室の利用も可能なんだそう。
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客室利用料金【船内の客室がご利用いただけます(別途有料)】
・セミスイートルーム:10,000円
・特等室:5,000円
・1等室:4,000円
※ 客室のお申し込みは当日、船内案内所にて先着順になります。 客室の数には限りがございます。
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 乗船時間を考えると、ちょっと割高かなあ。
 私は、個室なんかに乗ったら、絶対そのまま寝てしまいます(^^;。

 スケジュールはこんな感じ↓で。
 運航している時間は、結構短いのです。
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10:00〜11:00 受付
11:00 乗船開始
12:00 出港
14:45〜15:00 帰港・下船
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 既にもう乗船開始になっていて、皆さんほぼ全員が乗船済みなのですよ。
 私も乗船しちゃいます。
 初めての新しい「いしかり」、わくわくしちゃうね。
 入り口でクルーに半券を渡して、と。

 この「いしかり」、事前に瀬戸の銅鑼猫さんからお写真と解説をして頂いたので、それなりに把握は出来ていました(^^)。
 大まかな作りは、「きそ」と一緒なのですね。
 大浴場のサウナが廃止されていたり、吹き抜けが無くなって、インサイドの1等2人部屋が若干広くなっていたり。
 ブリッジにバイザーが装備されたり。
 レストランの作りも、バイキングの効率重視で、入り口近くにレーンが2列配置になったり。
 それをひとつひとつ確認して行きたいなって。
 さすが、ブリッジには入れませんけど。

 船内へ進むと、エントランスコーナーには色々な出店?が出ていました。
 似顔絵、英国式マッサージ、占い、お酒の試飲、ピアノ伴奏のお歌。
 ちなみに、グランドピアノは河合楽器製でした。
 スピーカーは…。
 ちゃあんと確認したのに、もう忘れてしまいました(^^;。
 ともあれ、イベントがいっぱい有るのは、楽しいのですよ。
 どこも結構賑わっていましたです。

 私はですね、取り敢えず船内を見て回ることにします。
 パンフレットによると、デザインコンセプトは「エーゲ海の輝き」だそう。
 エレベーター周りのデザインが、確かにそんな感じなのですよ。
 ちなみに、601号室と604号室と611号室と511号室が、モデルルームとして見学可能なのですって。

 それぞれ、ロイヤルスイート、スイート、特等洋室、特等和洋室ですね。
 ロイヤルスイートのやけくそな広さには、びっくりしてしまいます。
 こんなの、絶対に使い切れないですよー。
 広過ぎだもの。
 なんて、貧乏性な私は思うのですけど。
 さすが船、スペースを贅沢に使っています。
 こんなに広いの、他の交通機関では絶対に有り得ません。

 窓も大きくって、外の景色が見やすいです。
 船首にはカメラが有って、テレビで前面展望を楽しむことも出来ます。
 左下に、「ソウダシツ」ってカタカナで表示されているのが、何気に楽しかったりして。

 他のお客さんが写り込まないように写真を撮っていたので、お部屋の全てを写すのは無理みたい。
 てゆーか、今になって見直してみると、どれがどのお部屋の写真なんだか、既に分からなくなっていたりします(^^;。

 お風呂からだって、景色をしっかり楽しめてしまいます。
 このお風呂も、かなり広いですよねー。
 私としては、スイートやセミスイートの方が、使い勝手が良さそうです。
 広さが手頃なんですもん。
 ゆったりのんびり船旅を楽しんでみたいけれど、現状では乗船の前日に徹夜だったりするから、乗ったらすぐに眠りこけてしまいそうで、どう考えても設備を持て余してしまいます。
 生活時間に、もっとゆとりが欲しいにゃあ。
 てゆーか、お仕事に。
 長い休みをくれー!(^^;。

 ベッドランプの上の飾りが、太平洋フェリーのトナカイさん風になってます。
 通常の特等室は、スイートと比べたその狭さが逆に好感。
 いえ、十分に広いのですけど。

 もっといいのは、和洋室なのです。
 小上がりがくつろげそうだよー。

 ただ、このお部屋を4人で使うのは、さすがにちょっと狭い気がしますね。

 マットで寝床を作るのが、微妙に面倒っていうのは、確かに有りますし(^^;。
 ベッドの作り方は、写真付きのマニュアルが置いてありました。

 休憩室として開放されていた、2等室。
 出航前には、誰も居らっしゃいませんでした。
 一人当たりのスペースは、かなり違いますよねえ。

 そんな感じに船内を歩いても、まだ出航時間になりません。
 てことで、お風呂へ行くです。
 折角ですものね。
 この短い時間でお風呂に入ろうって方はそんなに居ないらしく、お風呂はがらがらでした。
 脱衣場にはカゴが並んでいて、貴重品のみ、入り口付近の小型ロッカーに預けます。
 「きそ」と一緒だね。
 100円玉を忘れずに。
 「きそ」と違うのは、サウナやジェットバスが無くなってしまったこと。
 そして、若干狭くなっています。
 それでも、展望大浴場は、やっぱり快適なのですよ。
 明るいうちからお風呂に入れるのって、何か幸せ。
 ちなみに、男女の浴室は、女性用の方が広いのでした。

 お風呂から出て来ると、ようやく出航時間なのです。
 デッキに出ますよお。

 お昼のこんな時間に名港トリトンを潜るなんて、「クルーズフェリー飛龍」以来なのですよ。
 本当に久しぶり。
 下から見上げていると、レーダーとか、結構ぎりぎりみたい。
 橋とぶつかりそうな位に近いよ。
 ファンネルからは、黒い煙がもくもくと上がって。
 この瞬間、橋を車で走っていたら、ちょっとした不思議体験が出来ちゃいそう。
 そんなタイミング、一生の間に、滅多に無いって思うのですよね。
 いいなあ。
 まあでも、船はですね、眺めているより、実際に乗った方が絶対に楽しいと思うのでっ。

 デッキには人が沢山です。
 ただ、ちょっと肌寒いので、少しずつ少しずつ、人は減って行って。
 デッキはかなり広くって、歩き甲斐が有ります。
 ベンチが無いのは、ちょっと残念だけれど。
 私は手摺りにもたれて、工業地帯の景色を眺めて過ごします。
 IHIのクレーンには、知多って書いてあったり。
 知多みるくの故郷ですよねー。

 船内放送では、ときどき景色の案内が流れて、金城信号所の紹介も有りました。
 現在表示されている管制信号の解説とかもしてくれたら、楽しいと思うんだけどな。
 海や船をアピールしよう、っていう雰囲気はあまり感じられなくって。
 太平洋フェリーとしては、あくまで楽しい思い出作りの場所の提供に徹しているみたい。
 その為のツールが、この新しい「いしかり」なんですものね。

 小型のコンテナ船と行き会ったよ。
 船体には、アルファベットで「妹ライン」って書いて有るです。
 …え、あれ、妹なんですか!?。
 うそうそ(^^;。
 真っ赤なコンテナにはハンブルグって書いてあるから、ドイツから来たのかしら。
 積荷は、ラウラ的な何かだったりしそう。
 帰路、もう一度デッキに出たら、この船が港で荷卸ししているのが見えたです。
 私はせっせと写真を撮って。
 何とゆーか、妹的な、ネタ命…?。
 ばか。

 遥か遠くに見えていたセントレアが近付いて来ると、そろそろ13:00。
 お昼ご飯の時間だよ。
 このセントレアの先で、「いしかり」は方向転換をするみたい。
 それにしても、セントレアの駐機場には飛行機が3機位しか見えなくって、見ていた間に離着陸したのも2機だけ。
 寂しいね。
 すっごいレンズのカメラを持った方が、熱心に空港を撮影されていましたです。
 私は、空港に特別な拘りは無いから…。
 でも、この伊勢湾クルーズにおいて、景色の大きなポイントは、橋と空港ですものね。

 すっかり人気の無くなったデッキから船内に戻って、レストラン「サントリーニ」前に並んで、入れ替え開始を待ちましょう。
 入場すると、本当に入り口前にレーンが配置されていたよ。

 今日は、奥の方にも、お料理のテーブルが置かれていました。
 ドリンクバーの機械が2つ。
 入場した直後は、お料理前にお客さんの行列が出来ましたけど、その後はゆとりが有って。
 席にも余裕が有ったよ。
 海側に、お一人様対応のカウンター席が用意されていたのは、一人旅メインの私には嬉しいです。
 なんて、そんな混む時期に乗船したりはしないのですけど。

 私は最終のCグループだったので、終了時間になっても、退出を促されたりはしませんでした。
 レストランの外のヨットクラブでは、コーヒーやスポーツ飲料の無料サービスが有って、おつまみも提供されていたよ。

 さすがにお腹いっぱいなので、食指は全く動きません(^^;。
 他の人達も、バイキングでたらふく食べているせいか、アルコールとおつまみには人気が無かったみたい。
 コーヒーの方は、人混みで写真は撮れませんでした(笑)。
 ショップも通常通りの営業で、北海道の物産品を買ったり出来ます。
 白い恋人でも買おうと思いつつ、そのまま忘れてしまったにゃあ。

 私は、またまた船内を一回り。
 あんまり人が多いって感じでは有りません。
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乗船定員 550名
※ 250名に満たない場合は運航を取り止める場合があります。
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 とのことですが、今日この日、何人位の方が乗船されているのでしょうね。
 赤ちゃんからお年寄りまで、老若男女、たっくさんの人達が居たよ。

 プロムナードの1人席には、テーブルにコンセントが配置されていました。
 便利そうなのです。

 案内所横のカウンターには、お祝いのお花が飾られていたりして。
 写真で確認出来るのは、三菱重工と三陸運輸からのお花だね。
 ラウンジ「ミコノス」では、参加料100円のビンゴゲーム大会が開催されていましたが、出遅れてしまったので、参加はしていません。
 てゆーか、私は何のイベントにも参加していないです。
 まあ、広い船内で好き勝手出来るのが、クルーズのいいところなのですものね。

 またまた伊勢湾岸道を見上げて、名古屋港に戻って来たです。
 接岸後も、イベントはまだ続いていて、早々に下船される方、まだまだ船内に残る方、それぞれ自由に過ごされていました。
 面白いね。
 ただ、車で来られた方は、縦列に並んで駐車しているので、前の車が出てくれないと帰れません(^^;。

 クルーに見送られて、私は「いしかり」を後にします。
 フェリー埠頭15:04発の幹築地1系統の市営バスで、築地口へ出ようっと。
 桜通線の新線区間に乗らなくっちゃ、ですもん。
 にむさんとは、ここでお別れ。
 実は、ターミナルでにむさんと偶然お会いして、レストランをご一緒したりしていたのでした。
 相変わらず、同行者の気配が全く感じられない、私の乗船記なのですよ。
 でもでも、ハイパーなマニアさんの行動を詳細に描写するのは、プライバシーに関わったりしますから…。
 許可を取っていないので、自粛なの。
 なあんてことはともかく、途中で通った空見町っていうバス停では、何だか懐かしい気持ちになってしまいました。
 空からの落し物とか、何か有るかな…?(^^)。

 その後は、すやすやと眠ってしまい、人が沢山動く気配でふと我に返ると、もう築地口なのでした。
 ここで全員が下車されて、バスは終点へと走って行きました。
 この旅の後の様子はこちらをどうぞ(^^)。
 いつか、北海道航路に復活した「いしかり」の乗れるのを楽しみにしつつ…。
 船上から、空と海、青の青さを、心に焼き付けられますように。


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 ゆかねカムパニー ©C.Maya 2011