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旅のしおり

 ここには、太平洋フェリー「きそ」仙台−名古屋の乗船記が有ります。
 乗船前にターミナル建物から外へ出て、「きそ」の船体を眺めておきましょう。
 バウバイザーが開いた白い船体は、凄く懐かしい感じがするね。

 本当は名古屋から北海道へ向かいたかったけれど、スケジュールの関係で無理なのでした。
 こちらから続いてます。

■24/10/02 太平洋フェリー「きそ」仙台12:50−10:30名古屋

10/02
 仙石線中野栄駅から11:21のバスでフェリーターミナルへ向かいます。
 途中の三井アウトレットパーク仙台港で数人が下車され、終点までのお客さんは15人。
 予約と決済は完了していますが、搭乗券の発券が必要なので窓口に並びます。
 搭乗券と同時にカードキーが発行されたよ。
 非接触型のICカードキーなので、台紙に部屋番号が記入され、下船時に回収となります。

 今回は1等洋室の利用で、ネット割適用の12,700円。
 いつもなら食事付きのプランにするのですが、台風の影響で揺れるかもですし、バイキング苦手ですし。
 ご飯は諦めました。
 太平洋フェリーが他社と違うのは、予約時に医療関係者か否かのチェックボックスが有ることでしょうか。
 船内ではクレカが使えない旨の注意も有りました。
 低気圧の影響で、揺れと遅れが生じるかも、と。
 はあい。

 乗船開始は12:00なので、暫く待合室で待機します。
 今日は待合室に余裕が有って。

 一時下船の人も居るのかどうか、見分けは付きません。
 乗船後の船内放送では、セミスイートと1等洋室以外には空きが有るそうで、等級変更の受付をしていたよ。

 「きそ」も就航から20年が経って、私はこれで7回目の乗船となります。
 全体的に、船内はとても綺麗に保たれていました。

 乗船が始まったら、すぐに乗り込みます。
 以前と同様な3枚綴りの搭乗券、乗船時には券面の確認だけで、もぎりは有りませんでした。
 そして、下船時には3枚まとめて全て回収されたり。
 そういうシステムに変わったのですね。
 ICカードキーは、あちこちに置かれた回収ボックスに入れておいたです。
 下船時には個室の扉は開けておいて欲しいとの放送も有ったっけ。

 私の部屋は、乗船口から1つ上の階層だね。
 階段が結構急なのです。

 その旨の注意書きも有りました。
 今までは全く気にしていなかったけれど、最近の船は段差にも余裕が有りますものね。

 私のお部屋は、階段やエントランスから近くて便利そう。
 あまり船首に近いと、揺れた時に嫌ですし。
 船室はこんな感じだよ。

 曇りガラスの向こうは吹き抜けです。
 トイレとシャワーと冷蔵庫が有るのはやっぱり便利で。
 外が暑かったので空調を強くしたいけれど、入口ドア横のパネルは細かい調整がどうしても出来ず、オンオフ位しか受け付けない感じ。
 天井の吹き出し口も、昔ながらの丸型です。
 スリッパはしっかりしたものが置かれていて。
 ベッドでごろごろしていたら、出航30分前の銅鑼が鳴って、船長さんからの挨拶が流れました。
 本日の乗員は38名、波高は1メートル、やはり低気圧の影響が有るかも、とのことで。

 それではデッキに出て、出航を見守りましょう。
 岸壁にはもう誰も居なくって、見物に来ているような人も居ません。
 汽笛も鳴らないね。
 遠くに見える仙台臨海鉄道の貨物線、西濃運輸のコンテナを引っ張ったDLが走って来るのが見えて。

 随分ゆっくり走っているなあと思ったら、一時停止後、バックして行きました。
 その間、踏切は閉まったままなのです。
 まあ、関係者しか通らなそうな踏切では有りますけど。

 私は取り敢えず、お風呂です。
 汗かいた。
 この先、揺れて閉鎖になったり、私自身がダウンしたりすると困りますもん。
 湯舟がちょっと浅いけれど、寝湯が有ったりするお風呂は広くて。
 のんびりです。
 船内の様子、もうかなり思い出して来ました。
 何故かサウナは閉鎖になっていて。
 コロナが理由になっていますが、老朽化とかもあるのでしょうね。
 管理は大変そう。
 浴室内では、写真撮影は勿論、スマホの操作も禁止との掲示です。
 何かトラブルが有ったのでしょうか。

 レストランもオープンしましたが、今回はバイキングの気分じゃ無いので…。
 コーヒースタンド「マーメイドクラブ」でカレーを食べよう。
 カレー600円とアイスコーヒー400円。

 出来上がると番号で呼ばれます。
 この組み合わせなら、レストランで1,100円払ってランチバイキングを食べた方が、お得感は有ると思います。
 でもでも。
 自分でおかずを取って回ったりするの、面倒なのですよお。
 ついつい食べ過ぎちゃいますし。
 意思が弱いのです。
 「太平洋フェリー伝統の味、船手作りのまかないカレー」なのですって。
 マッシュルームと三枚肉がたっぷり入って、なかなか食べ応えのあるカレーでした。
 ちょっとクリーミーな感じのカレー。

 さて、給湯室はカウンターになっています。

 アイランドキッチンとゆーか、変な絵面なのですよ。
 電子レンジもここに有って。
 昼の間は利用者さんが途切れませんでした。

 階段から下のエントランスを覗くと、なかなか良い雰囲気。
 あちこちに置いてある装飾、新造船の頃ははりぼて感が凄かったけれど、いい感じに経年劣化して、気にならなくなりました。

 部屋でごろだらしていると、早くも対向の「いしかり」が接近して来たとの放送が入って。
 14:35頃にすれ違う見込み。
 デッキに出て進行方向を覗いてみると、まだかなり遠くに居ますね。
 風が強いっ。

 汽笛を鳴らしてすれ違うので、大きく手を振って。
 かなり近付きますし、デッキも広々としているので、楽しいよ。
 スマホのカメラでも、写真を拡大してみると、「いしかり」デッキの人影がはっきり確認出来ますね。

 夕陽をちらっと眺めてから、船内をうろうろ。
 太陽の光や月の光や星の光、風の音や波の音や風の音、重油の匂いとゲロの匂い、そういったものを身近に感じられるのが船旅の醍醐味なのです。
 知らなかった風が吹いたみたい。

 オレンジとブルーが混ざり、そして深い青へと。
 色を変えて行く空が綺麗。

 2等和室を覗いてみると、個別のカーテンが付いてプライベートに配慮されています。

 既にもう、ちょっと古い世代になった「きそ」には、個別の貴重品ロッカーやコンセントまでは有りませんけど。

 ゲームコーナーには記念メダルの刻印機が健在だね。

 何とブラウン管のモニターが現役です。
 本体のパソコンは何を使ってるんだろ。
 本船「きそ」就航当時の最新はPentium 4とかですけど、もっと枯れた機種を使ってる筈なのです。
 興味津々。
 メダル、記念に試してみれば良かったな。

 船内のモニタによると現在地は静岡沖、船速20.6ノットで航行中。
 太平洋フェリーは各船毎に船内図を置いてあるのが楽しいです。
 ちょっとした資料になりますし。
 各国語バージョンが計4種類も有って。
 凄いの。
 手元に2004/07の船内案内図が有るので、置かれていた2022/05と比べてみると、紙のサイズがB4からA3になっています。

 概要を見ると、総トン数が205トン減って、定員も32人減っていますね。
 いや何で。
 部屋数自体の変化は有りませんが、特等で8名、1等で24名の減。
 523号室と563号室にバリアフリーの表記が追加されていますが、これは元々対応してましたよね。
 不思議。
 他には、階段やソファーを潰して喫煙コーナーに改装していたり。
 案内所って表記がインフォメーションに変わっていたり。
 まあ、そこは別にどーでもいいですね。

 自動販売機では、北海道名物なガラナやクラシックの販売は有りません。
 何故か沖縄のオリオンビールを売ってた。
 売店では勿論、北海道関係のドリンクやお土産を販売しています。
 セイコーマートのアイスも有りますよ。

 このアイス、地元のスーパーでも見掛けたっけ。
 太平洋フェリーは苫小牧と名古屋と仙台、名産品の豊富な街を結んでいるので、売店やレストランでのネタには困りませんね。

 晩ご飯には事前に調達した駅弁を食べましょう。
 結局、揺れは全く有りませんでした。
 問題無く定刻で運航中。
 20:00からのラウンジショーは今回も不参加で。
 グランドピアノは健在でしたが、手を触れるのは駄目みたい。

10/03
 昨晩は早くに寝てしまったので、朝は04:00過ぎから起きてみたり。
 さすがにパブリックスペースで寝ている方は居ませんが、各箇所1人は誰かしら居るのですよね。

 ご飯を食べている方とか、お風呂に入っている方とか。
 私も朝風呂に入ったよ。
 24時間オープンしていて嬉しいお風呂、常に誰かしら人が居ました。

 折角なので、日の出でも見ましょうか。
 デッキに出ると雲が多くて、はっきりとした日の出は無理みたい。

 船尾のベンチには人が結構出てました。
 スマホのGPSと照合して、御前崎が見えるかと思ったけれど、陸は全く見えません。
 EVERGREENな長栄海運のコンテナ船が並走しているね。

 朝ご飯はスタンドでカレーを食べよう。
 またカレーなんですかあ。
 カレー好き。

 スタンドには食事的なメニューがあまり無いのですもん。
 スパゲティナポリタン、うどん&そば、おにぎり、ホットケーキ。
 カレーは大盛りにして、ドリンクは無し。
 750円。

 本当、レストランで朝バイキング1,100円にした方がコスパは良いと思いますけどねん。
 カレーは本当に大盛りで出て来ました。
 食べ応え有るです。

 部屋に戻ると、霧が多少出ていたせいか、突然汽笛が鳴りました。
 他の船が接近して来たのでしょうか。
 名港トリトンの案内放送が詳しく流れたので、折角なのでデッキから見届けましょう。
 雨がぽつぽつ降ってます。

 いつもながら、大型フェリーが橋を潜るのには圧倒されるよ。
 ファンネルとの間に、そんなに間隔は開いてないように見えますもん。

 そうそう、充電用のケーブルを1本、家に忘れて来たことに気が付いて、焦ったです。
 スマホが予備機だけしか使えないと、結構厳しい。
 でも、ロビーの片隅に充電スタンドがちゃんと有ったので、最悪それを使えばいいかな、って。
 船内の売店でケーブルを探したけれど、AC100からUSBへの変換コンセントだけが置かれていました。
 結局は、手持ちでどうにかなったです。

 てことで、10:27には下船して。
 仕事を終えたタグが2隻離れて行きました。
 そう言えば、太平洋フェリーは乗用車と同乗の下船が出来ないのですよね。
 雨風が強いので、バスが到着するまでは待合室で待機です。
 バスには30人ちょっとが乗車して、ほぼ満員で発車。
 野跡駅で殆どの方が下車されたのでした。
「きそ」船内は綺麗に保たれていて、旧い船っていう感じは全然しません。
 この旅の後の様子はこちらをどうぞ。


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