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旅のしおり

 ここには、軍艦島上陸クルーズ「ブラックダイヤモンド」長崎−端島、の乗船記があります。
 今回の私は、九州産交バスの「日帰りバス旅」からの参加だよ。
 午後の便、軍艦島上陸見学観光ツアーBコースですが、通常このBコースに参加するには4,000円が必要なので、「オーシャンアロー」の800円と熊本から長崎往復のバス代がセットになって5,900円の「日帰りバス旅」は、とってもお得なのです。
 その代わり、長崎でのんびり過ごす余裕は全く有りませんけどねー(^^;。

 さあ、憧れの軍艦島(端島)に向かいましょう。
 この旅の前の様子はこちらをどうぞ(^^)。

■12/07/26 軍艦島上陸クルーズ「ブラックダイヤモンド」乗船記 長崎14:00−端島−長崎17:00

 長崎駅前から、事前に教えて貰っていた道を歩いて、受付の有る建物へと向かいます。
 熊本交通センターの出発前に口頭での説明を受け、更にマップまで貰っているので、間違え様が有りません。
 「分かりにくい建物ですが、軍艦島クルーズの幟が立っています」とのことなので、それを目印に。
 「乗船手続きを済ませてから、隣接のショッピングセンターで昼食を取るのがベストです」なあんてアドバイスも頂いていて。
 この「日帰りバス旅」は、スケジュールが本当にきつきつなの。

 受付では、誓約書を提出して、施設使用料の300円を支払います。
 おばちゃんが「あ、九州産交さんですねー」と予約リストを確認していたよ。
 引き換えに、パンフレットと利用券、首から下げる形式のチケットを受け取って。
 注意事項としては、15分前までに桟橋へ行くこと、島内には日陰が全く無いので帽子とペットボトルは必須、とのことで。
 それ以外の細々とした部分は、こんな感じ↓で。
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風速が5mを超える時、波高が0.5mを超えるとき、視程が500m以下のときは上陸できません。
また、見学者が安全に下船できないと船長が判断するときも上陸できません。
上陸できない場合は記念品を贈呈。施設使用料は不要です。
参加するにあたり、参加者は安全に関する「誓約書」を全員各々提出していただきます。
条例で見学者が許可されている端島(軍艦島)での見学は、「桟橋、見学広場、見学通路(約220m)」となっております。
その他の地域への立ち入りは厳しく禁止されております。
航行および上陸の安全上、飲酒の方の乗船はできません。
安全のため、ハイヒール、雨傘のご利用は遠慮ください。また、カメラは首からかけられるようにお願いします。
端島(軍艦島)の写真撮影は船上、端島(軍艦島)見学ポイントからの撮影はできます。
船内にはトイレが一つしかありません。済ませてご乗船ください。
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 乗船したら、お客さんの中に缶ビールを飲んでいるおじさんが居て、おいおいと思ったのは内緒です…。

 さあて、集合時間までの手持ちは約45分。
 ショッピングセンター夢彩都のレストランで、ご飯を食べましょう。
 中華料理屋さんで、皿うどんを食べるです。
 んーと、そんなに美味しくは無かったにゃあ(^^;。
 本当は、服とかも買いたかったけれど、そんな時間は全く全然有りません。
 猛烈な暑さの中、「ブラックダイヤモンド」の待つ桟橋へと向かったのでした。

 「ブラックダイヤモンド」って、石炭のことですよね。
 私は、「しゅごキャラ!」に同じ名前の歌が有ったっけ、なあんて呑気なことを考えつつ。
 あなたの欲しいものは、なあに?。

 クルーに丁寧に迎えて貰い、船内へ。
 船内は冷房が効いていて、ほっとした気持ちになります。
 景色を眺めるなら屋上のベンチがベストなのでしょうけど、汗が引くまではここに座ってようと思います。
 足元には、コンセントが有ったりもして。

 ベンチみたいなシートと、後部の一部は背もたれの無いイスに、タオルが敷いて有るです。
 トイレは、航行中のみ使用可。
 お客さんは10人程で出航です。

 長崎港内を進んで行くと、三菱の造船所に色々な船が接岸しているのが見えますねー。
 でっかい自動車運搬船が居て。
 ドック入りしているらしい、海上自衛隊のイージス艦「こんごう」も見えます。
 観光案内もしっかり入るので、聞いているとなかなか面白いです。
 「ブラックダイヤモンド」は、他の船をどんどん抜かして行くよ。
 船名は見落としましたが、甲板に制服姿の女の子が整列している船と併走したり。
 お互いに手を振り合います。
 チャーター船か練習船なのかな?。
 船籍港は下関だった筈。
 その後、高島行き長崎汽船の定期船を追い掛けつつ、伊王島に入港です。
 ここから、お客さんが20人弱乗船して、一気に賑やかになりました。
 子供さんも居るね。

 汗も引いたことですし、私もオープンデッキに出てみましょう。
 伊王島大橋を潜って、と。
 ここに橋が架かっていたなんて、全然知りませんでした。
 いつか渡ってみたいなあ。
 海面を覗くと、でっかいトビウオがぴょんぴょん飛んで行きます。
 結構あちこちに見える小島は、それぞれに石炭採掘の歴史が有るそうですね。
 興味深いのです。
 グラバー邸に住んでいたグラバーさんが、開発をしたりしていたのですって。

 はい、それではまず、高島に上陸しての見学です。
 石炭資料館と岩崎弥太郎銅像を見学するよ。
 ガイドさんに先導されて、港からすぐ近くの石炭資料館へ。
 空調は有って無いようなものなので、汗だくになりながら、小さな資料館を見学します。
 ガイドさんの説明は面白いし、最後までじっくり見て回ってしまいました。

 館内に長く居過ぎて、玄関前の端島模型の説明、半分聞き損っちゃった…。

 野外には、坑内車の展示も有って、こういうのを見ると乗ってみたくなっちゃいます。

 鉄の血が騒ぐー。
 ただ、炭鉱労働は相当にきつかった筈で、私じゃあ全く戦力にならないでしょうねえ。
 立坑のエレベーターを降りただけで、気絶する方も多数居たとのことですし。
 温度は40度、湿度は80%、そんな過酷な環境なのです。

 三菱創業者で有る岩崎弥太郎の銅像は、海を背にして立っています。

 これを見て、私は良からぬ妄想をしていたわけで…(^^;。

 間もなく集合時間なので、ぞろぞろと港へと歩きます。
 海を覗くと、カラフルな熱帯魚が泳ぎ、珊瑚が見渡せます。
 さすが南の海ですね。
 私の地元で有る千葉の海を、ちょっとだけ思い出してしまいました。
 房総も、似た感じの海なのですよ。

 ターミナルでは、トイレに寄って、自販機でお茶を買って。

 軽食カウンターは、メニューが結構充実しています。
 こういう雰囲気、大好きです。
 何か食べたくなってしまいますが、そんな時間は有りません(^^;。

 さあ、次はいよいよ軍艦島だよ。
 火葬場が有ったと言う、お隣りの中島を眺めつつ…。

 遠くに見えて来た島の影は、まさに軍艦なのですよ。
 凄い凄い。
 まさか、今日この日に来るなんて、本人だって予想していませんでした。
 ガイドさんによると、今日の海はここ1ヶ月で一番の凪で、間違い無く上陸出来るでしょう、とのことです。
 …波が高くて上陸出来ないなんてパターン、全く想定していませんでした(^^;。
 実際、7月は波が高い日が多くって、上陸出来たのは3割位なのだそう。
 あ、私はラッキーだったです。

 小さな桟橋が見えて来て、慎重に慎重に接近して行きます。
 凪とは言え、外洋の波を直接受ける桟橋は、やっぱり波の影響が大きくって。
 かなりの上下動を感じます。
 接岸まで、ちょっとした時間がかかっていました。

 いよいよ上陸です。
 歩ける所は本当に限られていますし、勿論、建物に中に入ったりも出来ません。
 いつ崩壊するか分からないのですもの。
 この直近の台風でも、建物が崩れる大きな音が聞こえたそうで…。
 大波は島を横切って行くそうですし、かなり過酷な環境なのですよ。

 右の建物は、坑道へと降りるエレベーターに乗る為の階段だったそうで。
 白かった階段は、足跡で真っ黒に染まったまま。
 ここで働いていた人達には、特に忘れられない場所みたい…。
 確かに、生きてここに戻って来られるか、分からないのですもの。
 だから、ご飯のときも、好きなものを一番最初に食べるっていう習慣が出来るって、当時を知る方が話してくれたです。

 右の地下通路は、港から島へと続く通り道。
 島に出入りする人達は、必ずここを通ったそうです。
 現在は勿論閉鎖されていますが、覗き込むことは出来ます。

 レールが縦に埋まっているのを発見したです。
 建物の崩壊で縦になってしまったのか、元々何かの基礎として使われていたのか、それは分かりません。
 色々な痕跡が、何かを語り掛けて来るような、そんな軍艦島なのです。
 ちなみにここって、岡崎律子さんの生まれ故郷なのですよね。
 岡崎律子さんが軍艦島出身だったこと、お隣りの市川市に住んでいたこと、全て亡くなった後に知りました…。

 短い見学時間も終わり、いよいよ軍艦島ともお別れです。

 島内は本当に暑く、日差しが強くって、私はタオルを頭に巻いて凌いでいました…。
 船室に逃げ込んで、ほっと一息なのですよ。

 軍艦島が遠ざかって行きます。
 私も、写真を撮りまくってしまいました。
 船内では、軍艦島を紹介するDVDが上映されて、興味深く見ていました。

 伊王島には16:40に到着。
 ここから乗船した方は下船となるので、船内は一気に静かになって。
 三菱のゴライアスやグラバー邸を眺めつつ、長崎港には定刻の17:00に戻って来たのでした。
 お隣りには、福江行き九州商船の緑のフェリーが佇んでいるね。

 入港が遅れると、帰りの高速バスに間に合わなくなってしまうところでしたが、ちゃあんと定刻でした。
 もし次の機会が有るなら、今度は冬に来たいなあ。

 この旅の後の様子はこちらをどうぞ(^^)。


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